「イシクニズム」 Vol.20

「イシクニズム」 Vol.20

東京美装商工業協同組合

 

日本には時計ベルトの業界団体がひとつある。
今年設立68年目を迎える「東京美装商工業協同組合」である。
時計業界内では「美装組合」と呼ばれている。
現在の理事長は石田国久(筆者本人)が勤めている。

 

1958年(昭和33年)東京東上野において設立された。
組合設立の目的は「組合員の相互扶助の精神に基づき、組合員のために必要な共同事業を行い、もって自主的な経済活動を促進し、かつ、その経済的地位の向上をはかることを目的とする」である。

 

現在は時計ベルトの使用上の注意の作成配布や商品(特に素材)の表記ルールの策定等の活動を行っている。
全日本爬虫類皮革産業協同組合のJRAタグの添付についても実施している。

 

JRAタグとは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」に基づき適法に輸入した皮革、もしくは国内で適法に捕獲された動物の皮革を使用して日本で製造された爬虫類等皮革製品に対して、丹念に仕上げられた価値のある日本製品である旨を表示するタグである。
美装組合の商品はワシントン条約を準拠した商品であることを担保するためJRAタグを添付している。

 

美装組合の前身は、昭和5年に設立された「東京時計附属商工業組合」である。
親睦を目的として、法的性格を持たない組織であった。
約80社が参加して設立され、発起人は当社の創業者である石田國三郎他5名であったと記されている。

 

満州事変や太平洋戦争等があり、様々な遍歴によって「東京時計附属商工業組合」は時計ベルトを製造する加工組合、時計ベルトのメーカーとしての位置づけとなる製造卸組合、全国の小売店に販売する卸組合に分割していった。

 

時計ベルトのメーカーとしての位置づけとなる製造卸組合が当「美装組合」である。ちなみに加工組合は既に解散しており、全国の小売店に販売する卸組合は現在「東京貴金属宝飾品協同組合」となっている。

 

現在の美装組合は、バンビ(株式会社バンビ)、ミモザ&JCペラン(株式会社ミモザ)、ベアー(株式会社ビーケーシー)、モレラート(株式会社シンシアー)、OEM(株式会社和久元)、クニスタイン&ロコッテ&ポニー(株式会社石国)、他宝飾関係の会社が組合員となっている。

 

健全な競争とマーケットの拡大を主な活動方針として今年も間もなく総会が開催される。
先々代が作った協同組合をしっかりと守り発展させていきたい。

 

時計ベルトを扱っている会社の方で興味のある方がいましたら、是非ご連絡頂ければと思います。
一社では難しいことでも協力し合えば達成することは出来ます。協同組合の基本の考え方です。

 

by Kunihisa Ishida