
時計修理技能士1級講習会
こんにちは修理室の吉田です。
続編「時計修理技能士1級」のお話です。
時計修理技能士1級を取得するには、実技試験と学科試験に合格しなくてはなりません。
2級(クォーツ時計のみ)と違うのは実技試験でクォーツ時計と機械式時計の2種類を規定時間内に指定内の精度に納めなければなりませんのでかなりハードルが上がります。
石国では、年間12回の1級技術者講習の内9~10回は機械式のレクチャーに時間を費やします。
機械式になると部品数も多くなり、注油量、精度調整が重要になります。
講習会では組み立てが出来るようになればここを徹底的に教えていきます。
試験では環境が変わるので、練習時の100%の実力を出すことはほぼ不可能になります。
試験に合格するには繰り返し練習をして自信を付けてもらえるように心がけています。
先日、石国本社に2026年受験予定の新しいチャレンジャーが集結しました。
第一回目の講習会場に顔を見せた時点では緊張気味に見えましたが、その日の講習会が終わるころには笑顔になっていました。
このメンバーにも1年間でしっかりと自信を持ってもらい万全の状態で受験してもらえるよう指導していきます。

さて、今までの私は45年間技術者として働いてきた中で、このような資格取得のタイミングを逃していました。
年齢的にも自分が受けるくらいなら若い部下に受けて貰おうと考えていましたが、2020年に「株式会社石国」に入社したことで考え方が変わりました。

私が石国に迎えられた理由の一つとしてあるのが、石国の技術力向上です。
私は時計修理事業部長として石国社員の技術力向上に取り組んでいます。
そして、その石国の育成方針のなかで大事にされていることが資格取得でした。
今回私が時計技能士1級の試験を受けた理由は、石国の方針を尊重し、この資格を持たなければならないという使命感を持ったからです。

試験は無事合格しました。
この経験を生かして石国の更なる技術力向上に励みたいと考えております。
なお、3月14日に合格発表があり、今年石国から1級6名、2級1名合格し、好成績を残すことができました。