石國商店 直営店便り10月号②石國商店 ルミネ荻窪店

石國商店 直営店便り10月号②石國商店 ルミネ荻窪店

いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。

 

今回は、革ベルトのクニスタインをご紹介します。

まず初めに、「クニスタインって何ですか?」と当たり前ながら質問があると思います。

クニスタインは、一言でいうと「日本で一番(仕立てが)美しいベルト」です。

 

どういう点が違うのかをご説明します。

腕時計の革ベルトを作成する工程では「裁断」→「漉き(すき)」→「仕立て」→「仕上げ」を行いますが、それぞれの工程ごとに職人が分業で作り上げていくのが一般的な革ベルトです。

クニスタインが特別なベルトである理由は、高い技術を持った職人がこの工程を全て一人で行う点にあります。

分業でないため作り上げるまでにとても時間がかかりますが、「日本一美しいベルト」になるよう徹底的にこだわりを持って仕上げています。

 

クニスタインはまず贅沢に革を裁断するところから始まります。

厳選したクロコダイルの腹の部分(竹符)から先端の剣先に向かって丸符になるように切り取ります。

これはベルトを広げたときに一番美しくなるようにするためです。

美しく見えないところは一切使用しないため、一枚の原皮においてもクニスタインベルトとして使用できるところが非常に限られます。

ここがまず他の革ベルトと大きく違うところです。

 

裁断の工程の後に行う「漉き」は素材の厚みを調整する作業です。

こちらは、専門技術のない職人が行うとベルトに段差ができ、見栄えが悪くなります。

これが一番技術の問われる作業ともいわれるぐらい難しい工程の一つですが、熟練の職人が絶妙な力加減で最適な厚みにしていきます。

 

そしてクニスタインの特徴の一番は「ヘリ返し仕立て」です。

これは、表の皮革の素材を裏側に巻き込んだ仕上げになります。

表の皮革を包み込むように使用するため、横から見ても表の素材の良さを楽しむことができます。

特に剣先の「菊寄せ」という技術が難しく、この仕立てを美しく完成させることができる職人は日本に数人しかいないとのことです。

 

最後に「隠しミシン」です。

こちらはベルトの裏側に糸目を出さず、表側のみステッチを効かせることによって、ベルト表面に汗が染み出ることを抑える作りになります。

 

汗や水に弱い革ベルトを少しでも長く美しく保ってご利用いただけるよう、当社で1970年代に開発した技術です。

 

美しさと作りの良さを第一に労を惜しまず、職人のプライドを持って11本こだわり抜いて作り上げた日本一のベルトです。

 

どんな時計でもクニスタインを付ければ日本一の時計の仲間入りです。

ぜひ一度、お手に取ってご覧ください。

 

スタッフ一同ご来店を心よりお待ちしております。