「イシクニズム」 Vol.33

「イシクニズム」 Vol.33

時の記念日2025  

 

【1920年】

時の記念日は年に一度時計の歴史について考えるいい機会と捉えている。

時の記念日の制定は当社の創業年でもある1920年である。

この年に開かれた「時」展覧会において制定されたと聞いている。

 

 

この1920年は大正デモクラシー真っ只中であり、政治や社会や文化の面で民主主義に向かって突き進んでいた時代と認識している。

だからこそ興味深い始まりがいくつか存在する。

国民に時間の概念を「時」から「分」に意識を変えるための「時」展覧会の開催もその一つであるが、その他にも国際連盟の成立や日本最初のメーデー、そして、日本で最初の国勢調査の実施などが興味深い。

第一次世界大戦によってもたらされた大戦景気が終了したのもこの年と言われている。

大戦が終了して国際連盟が成立するまで二年も要したというのは、国際連盟からその役割を引き継いだ国際連合が第二次世界大戦終了後僅か数か月で設立していることを考えると、些か時間を掛け過ぎたのではと考えてしまう。

 

 

私は大学卒業後鉄道会社に就職した。

当時はまだ毎年ストライキもあり、5月1日はメーデーで代々木公園からゴール地点まで毎年行進させられていた。

あのメーデーが日本で最初に開催されたのが1920年であった事実は、自身としては衝撃であった。

何かとても運命を感じる。

 

 

そして国家としての政策立案のための基礎データとなる国勢調査が実施されたのも1920年である。

これも民主化が進むにつれ、国民に向けた政策をしっかりと立案しなければならいという方向に様々な目が向いていった時代なのだと思う。

;時の記念日が制定され、国際連合が設立し、メーデーが実施され、国勢調査が実施された年に創業された当社としては、毎年感慨深く6月10日を迎えている。

これからも多くの人の笑顔のために進んで行くという決意を確認している。

 

 

笑顔で笑顔に。

by Kunihisa Ishida