「イシクニズム」 Vol.39

「イシクニズム」 Vol.39

カルティエ財団現代美術館

 

2025年10月25日、パリのカルティエ財団美術館がパリ14区から移転して、大規模リニューアルオープンした。

場所はパレ・ロワイヤルの1階と2階(もっと使っているかも)。
ルーブル美術館の隣であり、Palais Royal Musée du Louvre駅を降りると目の前にあるという絶好の立地である。

フランスを代表するジャン・ヌーヴェルが設計を担当し、ガラスが多く使用され、街との一体感を狙った明るいデザインが印象的である。
多分、カルティエ財団の理念である「開かれた文化」を意識したものと思われる。

 



館内の印象は「広い」と「斬新」の二つであった。
大きい展示物が多く、それらを横からも上からも鑑賞できるという構造は非常に面白かった。

 


オープニングイベントは、今まで支援してきた100人近いアーティストの作品 約600点が展示されていた。
「建築のメカニズム」「自然であること」「ものづくり」「現実世界」の四つのテーマで構成されていた。

 



日本の写真家、森山大道氏の作品やグラフィックデザイナーの横尾忠則氏の作品も展示されていた。

1925年に開催されたパリ万国博覧会から100年目ということで当時の建築についての展示も面白かった。

ラグジュアリーブランドが、広告目的ではなく、企業文化を超えて社会に貢献する価値を見出し、文化活動を支える活動は本当に素晴らしいと思う。

さすが「カルティエ」である。


 

by Kunihisa Ishida