修理室便り1月号
修理室の萩野です。
今年の干支は辰ですね。
早速ですが時計にも辰(竜)の名前が付いた部品があります。
腕時計や懐中時計に付いている針回しやゼンマイを巻く際に引き出して操作する部品“りゅうず”です。
漢字では“竜頭”と書きます。
もともとは、お寺にある釣鐘を吊り下げるための綱を通す部分を竜頭呼ばれています。
姿が龍に似ていて、「蒲牢(ほろう)」という中国の伝説の生き物の頭が装飾としてあしらわれたからだそうです。
まだ時計がなかった頃は、お寺の鐘の音が時計の代わりを果たして、伝説の「蒲牢」にあやかって、鐘の音が遠くまで良く響いて欲しいという願いが込められていたそうです。
これが時計に付いている竜頭の由縁です。
一つの部品のからも歴史や意味を感じられます。
普段ご使用されている時計や再度、動かしたい時計はございますか。
時計も私たち人間の心臓と同じく休む事無く時を刻んでいます。
しかし時計が不具合を起こした時に、不便さに気付くものです。
外からは見えない機械の中は汚れが溜まり油切れを起こしているかもしれません。
私たちは、修理した綺麗な時計でお客様に大事な日常を快適に過ごして頂きたく、仕事に努めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。