「イシクニズム」 Vol.18

「イシクニズム」 Vol.18

愛媛

 

はじめて愛媛県を訪れたのは大学生の時だった。

当時の国鉄(現JR)が発売していた「四国ワイド周遊券」を利用して訪れた。

 

因みにワイド周遊券は20日間、東京から四国までの一往復と四国内の国鉄の特急・急行・普通列車が乗り放題になるチケットであった。

価格も学割を使うと2万円前後だったと記憶している。

 

東京から大垣夜行を利用して西へ向かい、電車を乗り継いで宇野駅まで行った。

当時は本州と四国をつなぐ橋が無かったので宇高連絡船に乗り継いで四国の高松に渡った。

 

初めて四国に足を踏み入れた時の感覚はあまり覚えていない。

国鉄の線が北海道や九州に比べて少なった事と途中から鉄道ではなく国鉄バスに乗り継ぐことになったことを覚えている。

 

北海道ワイド周遊券や九州ワイド周遊券を利用するとほぼ全ての観光地に行けたのに四国は国鉄以外の私鉄やバスを利用しなければならなかった。貧乏学生には大きな出費であった。

 

高松から時計回りに四国を廻り、愛媛県は最後に訪れた県であった。夏目漱石の坊つちやんと正岡子規くらいしか知識が無かったのでまずは道後温泉に向かった。普通にお風呂に入れたことにちょっと驚いた。その後正岡子規記念館に向かった。完成して間もない時だったのでとても立派だと感じた。夏目漱石と正岡子規が友人関係にあり、それも東京で出会ったというのはとても興味深かった。

 

松山市を後にして佐田岬に向かった。佐田岬に向かう途中は何もない素晴らしがあった。夕日がきれいだった。

 

その後30年以上の月日が経ち二度目に愛媛を訪れたのは2016年であった。全国社会人サッカー選手権大会に出場した東京23FCの応援の為に訪れた。

 

人生で2回しか訪れたことのない愛媛に石國商店ECを運営する株式会社石国に出店の話が舞い込んできた。2022年の暮れのことである。

 

多くの方々とのご縁とご協力によって出店が決まった。その間10回程度愛媛県松山市を訪れたが観光する時間は取れなかった。

 

2024年3月1日、当社が担当するいよてつ髙島屋時計売場がスタートした。国内最大級の時計修理コーナーと国内外の時計ブランドを揃えた時計売場である。

 

四国の皆様に愛されるお店を目指して今まで同様の精進を重ねて行ければと思っている。松山市をはじめとした愛媛県、四国の皆様宜しくお願い致します。

 

 

 

2024年3月2日に三十年ぶりに道後温泉と正岡子規記念博物館を訪れた。正岡子規記念館と記憶していたが松山市立正岡子規記念博物館が正式名称らしい。記憶とは曖昧なものである。

 

 

by Kunihisa Ishida