腕時計のお手入れ方法を解説!自分でできるメンテナンスとは
腕時計を購入される際、販売員から「3~5年に一度分解掃除が必要です」という説明を受けるお客様が多いと思います。
時計はいくつもの歯車やゼンマイ、小さなネジ等様々な部品で作られています。
そして、多くの部品を滑らかに動かし嚙合わせる事で、時計が動くのですが、滑らかに部品を動かす為に、部品には油が注されています。
この油が3~5年経過すると劣化し、歯車の動きが悪くなり、時刻が遅れたり、時計に不具合が起きるため、分解掃除をお勧めしております。
分解掃除は、修理技術を持っている技術者でないとできないので、分解掃除をご希望の際は、是非当店「石國商店EC」へご相談ください。
でも、分解掃除以外にご自身でもお気に入りの時計を、お手入れしてきれいに永くお使いになりたいお客様もいらっしゃると思います。
そう、この記事をご覧いただいている「あなた」です。
このコラムでは、修理技術を持っていなくても、ご自宅でできる腕時計のお掃除方法をご紹介いたします。
【目次】
●腕時計のお掃除が必要な理由
- 腕時計掃除のメリット その①
- 腕時計掃除のメリット その②
- 革ベルト
- 金属ブレス
- ガラス・ケース
- リューズ
■腕時計のお掃除が必要な理由
・腕時計掃除のメリット その①
腕時計は直接肌に触れる部分が多い製品です。 肌からは、皮脂や水分が出ており、常に触れている箇所に付着をします。 一度の装着では、気になるほど付着はしませんが、長い間装着を繰り返すと皮脂や水分が多く付着し、金属でできている時計のケースやブレスレットに錆が発生したり、汚れがたまったりして、劣化してしまいます。 革ベルトも、金属と同様に皮脂や水分が革に染み込み、不快な臭いや割れ、変色等の原因となります。 腕時計を取り外したら、柔らかい乾いた布で時計を丁寧に拭いていただくと、皮脂や水分、埃等の汚れを取り除く事ができ、時計のケースやブレスレット、革ベルトが劣化するのを防ぐことが可能です。
・腕時計掃除のメリット その②
上述の通り、劣化をした状態で置いておくと、ケースの汚れが取りづらくなりリューズが引き出せなくなったり、ブレスレットが固着してしまい、無理に動かそうとして破損してしまったりと、部品交換が必要な状態になります。
時計の部品はメーカーでの保管期間が7年程度のところが多く、長年ご使用になっている時計を修理に出していただいた際に、部品の在庫が無く代替品での交換となる場合がございます。
代替部品での交換の場合、デザインが変更になったり、時計の防水機能が無くなってしまったりと、お客様が気に入っていたポイントが無くなってしまう恐れがございます。
お気に入りの時計を末永くご使用いただく為にも、腕時計掃除を定期的にしていただく事をおススメしております。
では、ご自身でできる、腕時計のお掃除方法をパーツ別にご紹介いたします。
■ご自身でできる!腕時計のお掃除方法
・革ベルト編
皮革製品である革ベルトは汗や水分に弱い点が特徴です。
他にも、香りがつきやすかったり、擦れや水分によって色が落ちてしまったりする場合もございます。
汗や水分が革ベルトに付着すると、変色や割れ、不快なにおいにより劣化が進みます。
それらを防ぐ為には、時計を腕から取り外し保管場所にしまう際、マイクロファイバーやセーム革のような柔らかく乾いた布で革ベルトの裏と表を優しく拭いてください。
特に、夏の汗をかきやすい時期や、手を洗った際に水が付着したと感じた際は、その都度、柔らかく乾いた布で優しく拭き取ることで、革への染み込みを防ぐことができ劣化を防ぐことが可能です。
(セーム革)
不快なにおいを防ぎたい場合は、汗や水分、汚れを拭き取った後、市販の時計用革ベルト専用消臭剤をご使用いただく事をおススメいたします。
・金属ブレスレット
金属といってもいろいろございますので、今回はステンレススチール製とチタン製のブレスレットのお手入れ方法をご紹介いたします。
ステンレススチールやチタンという素材は、錆びにくい材質と言われております。
しかしながら、表面にキズがつくと、そこから水分や汚れが入り、錆が発生し劣化をしてしまいます。
キズ以外にも、駒と駒の間に汚れが付着し、汚れが付着した状態が続くと駒同士が固着してしまい、ご使用になる際、無理に動かして破損してしまう場合がございます。
これらの劣化や破損を防ぐ為にも、革ベルトと同様にマイクロファイバーやセーム革等の柔らかく乾いた布でブレスレットの裏と表を優しく拭き取ってください。
併せて、柔らかい歯ブラシと爪楊枝をご使用されると、駒と駒の隙間の細かい箇所の汚れを落とすことができます。
(歯ブラシ)
使用方法は、まず柔らかい歯ブラシに中性洗剤を含ませて気になるところを優しくこすっていただき、歯ブラシの届きにくい箇所を爪楊枝の先で優しくこすってください。
(爪楊枝)
ご家庭に超音波洗浄機がございましたら、ご使用いただく事もおススメです。なお、超音波洗浄機で洗浄する際は、決して、時計本体を水につけないようにお気をつけてください。ブレスレットを本体から取り外す際も、破損しないようお気をつけください。
時計本体への水の浸入が心配な場合は、市販の金属ブレスレット用のクリーナーもございますので、こちらもご活用ください。
・ガラス・ケース
時計本体はケースやガラスによって時計内部の機械や文字盤・針等を保護しています。
ケースは、裏側に裏蓋があるものと、ガラスを取り外して内部の機械を取り出すものがございます。
裏蓋やガラスは、パッキンという輪っか状のゴムにより、隙間なくケースに取り付けられていますので、水分や汚れが簡単に内部に入ることはありません。
しかし、このパッキンは水分に弱く、劣化をすると防水性が失われたり、隙間ができ汚れが時計内部に入ったりしてしまう場合がございます。
パッキンの劣化を防ぐ為に、時計を腕から取り外した際は、ブレスレットや革ベルトを拭く流れでガラスやケースも優しく拭いて、水分や汚れを取ってから保管をしてください。
リューズ
リューズはケースの側面についている部品で、時刻合わせやカレンダーを合わせる際にケースから引き出して使用致します。
ご注意いただきたい点として、リューズを引き出して時刻合わせ等をした際は、リューズを押して元の位置に戻してください。
リューズを引き出したままで、時計をご使用になるとリューズの隙間から水分や汗、汚れが時計内部に浸入し、時計の不具合を引き起こす原因となります。
リューズのお手入れ方法は、これまでの部位と同じく柔らかく乾いた布で表面を拭き取ることと、ねじ込み式リューズの場合、ネジ溝を綿棒等で優しく拭き、汚れを取ることです。
ねじ込み式リューズは、ネジ溝が削れてしまうとリューズのねじ込みができなくなる為、リューズを元の位置に戻す際は、溝に沿ってねじ込んでください。
以上が、ご自身でできる腕時計のお手入れ方法です。
日々のちょっとしたお手入れで、劣化を防ぎ、お気に入りの時計を末永くご使用いただけますので、是非お試しください。
お掃除と併せて、時計の保管場所につきましてもご注意ください。磁気を発生する携帯電話や磁気ネックレス、リモコン等の近くを避けていただき、湿気がこもりにくい場所に保管いただくことで、時計の磁気帯びや劣化を防ぎ、末永く時計をご使用いただけます。
私ども石國商店は、お客様の大切な時計をただの「時計」として扱わず、お客様の時計に対する「想い」も一緒にお預かりして、修理を承っております。
「お断りしない」をモットーに、国家資格である「時計修理技能士」資格を持つ技術者が修理をしております。
■時にはプロにメンテナンスをお任せください
もし、下記のような不具合が発生してしまったら、私ども「石國商店」へ修理をご依頼ください。
時刻が遅れる(もしくは早まる)
・ゼンマイを巻いても(電池交換しても)動かない
・リューズが動かない
・リューズが取れてしまった
・内部に水が入ってしまった
・落としてしまった
・購入もしくは、前回の分解掃除から3年以上経過している などなど
アンティークから比較的新しい時計の修理実績が年間1万件以上ございます。
「石國商店EC」では修理のご相談をLINEにて受け付けております。
修理をしたい時計の写真、不具合内容、ブランド名、モデル番号等をLINEにてご連絡いただきましたら、概算のお見積りをご連絡いたします。
お見積りにご納得いただけましたら、修理キットをお送りいたしますので、ご自宅にて時計を梱包していただき、お近くの運送会社より弊社迄お送りいただけましたら、修理をしてご返送いたします。
時計をお預かり後、修理内容が変更になる場合は、LINEにてご連絡いたします。
ご自宅で気軽に修理のご依頼ができますので、是非「石國商店EC」簡単LINE修理お見積りサービスをご利用ください。