腕時計のガラス交換は自分でできる?
ちょっと疲れているときによろめいて「ガンッ!」とどこかに時計をぶつけてしまい、
・ガラスに傷が入ってしまった!
・ヒビ割れがある!
なんてことがあるとショックですよね・・・。
そのようなことが起きてしまったときのために、
今回のコラムでは「時計のガラス交換」のことをお話します。
実際にガラス交換をする場合の依頼方法についてもご紹介いたします。
困ったときの参考にしていただけると幸いです。
※腕時計のガラスが割れている場合、破片によって手などを怪我する恐れがあります。
ガラスが割れた際には取扱いに十分ご注意ください。
腕時計のガラス交換を検討するタイミングは?
実際に腕時計のガラス交換が必要な場合とはどんなときでしょうか。
割れてしまった
割れてしまった場合は必ず交換をしてください。
状況にもよりますが、強い衝撃を受けてガラスが割れた場合にはガラスだけでなくムーブメントにも強い衝撃が伝わっているので、ムーブメントが故障したりひげゼンマイが絡んでしまっている可能性があります。
また、割れた部分から湿気が入ることにより、錆びや腐食などムーブメントにダメージを与えている可能性があります。
上記の理由から、状況によってはガラス交換と一緒にオーバーホールが必要なことがあります。
ヒビが入った
衝突や落下などで時計を硬いところにぶつけてしまうと、ガラスにヒビが入ることがあります。
こちらも割れてしまった場合と同様に、衝撃によるムーブメントの故障や、ヒビの隙間から湿気が入ることによって錆びや腐食が発生してしまうリスクがあります。
また程度にもよりますが、そのまま使い続けるとヒビ割れが進行してしまいガラスが割れてしまう恐れがあります。
時計を使い続けるためにはガラスの交換が必要になります。
変色した
先ほどご紹介した時計ガラス
3種の中でプラスチック風防に起こる状態変化です。
ただし、これは厳密に言うと変色ではなく、経年劣化によって表面にクモの巣状の細かな亀裂ができ、そのことで白く見え、さらにその亀裂に汚れがたまることで変色したように見えてしまいます。
腕時計のガラス交換が不要な場合
擦ったような小傷程度であれば、今すぐ交換する必要はありません。ただし、気分的に小傷が気になって仕方が無かったり、文字盤が見えにくくなるほどに傷が目立つようでしたら交換をお勧めします。
腕時計のガラスには主に 3種類の素材が使用されています。
ミネラルガラス、サファイアガラス、プラスチック風防です。
ミネラルガラス
一般的な時計によく使用されているガラスです。
傷はつきにくいですが 割れることがあります。
研磨剤を使用して長時間懸命に自力で研磨することも可能ではありますが、これはコストに見合わないのと、場合によっては状態が悪化するリスクがありますので、慣れていない人の自力での研磨作業はおすすめしません。
サファイアガラス
主に高級モデルに 使われている人工の硬質ガラスです。
とても固いため傷はほとんどつきませんが、 強い衝撃では割れることがあります。
とても硬い性質のためミネラルガラスやプラスチック風防に見られるような小傷は簡単に入りません。また、硬質ガラスの性質上、一般的には研磨が行えません。ヒビ入りなどのトラブル時にはガラス交換が必須となります。
プラスチック風防
昔のアンティーク時計や一部のモデルに プラスチック風防が使われています。
傷がつきやすいですが、比較的に割れにくい素材です。
傷がつきやすい素材ではありますが、柔らかく加工しやすい素材のため細かな傷であれば表面を研磨することによって傷を消すことができます。
ただし、深い傷がついてしまった場合には、研磨で消すことは難しく、直すためには交換が必要です。
腕時計のガラス交換を自分でする場合の注意点
ガラスの交換をしたいけれど、時計店に修理を依頼するとお金も時間もかかってしまいます。
そのためご自身でチャレンジしてみたいと思われる方もいるかもしれません。
ただし、自己流のやり方をして失敗してしまい、最終的にお店に修理を依頼することになってしまったケースはよくあります。
少しでも不安な場合はプロに任せましょう。
※本記事は時計修理経験の無い人による時計のガラス交換を推奨しておりません。そのため、作業方法についてこちらでは掲載しておりません。
また、ガラス交換する際は自己責任で行ってください。またガラスや時計部品によって怪我などをなさらないように十分にご注意ください。お客様ご自身の作業に起因した事故等不測の事態につきまして、弊社では一切責任を負うことができませんので予めご承知おきください。
腕時計のガラス交換するにはこれだけの部品や道具が必要です
ガラス交換時に必要とする主なもの
・新しいガラス(元のガラスと形状やサイズが同じもの)
・ガラスの径に合わせたパッキン
・ウラブタを開けるための工具
(こじ開け工具、スクリュー用工具、ドライバーなど)
・ガラスを圧入するための機械
・接着剤
・紫外線ライト(紫外線硬化接着剤を使用する場合)
・アルコール(割れたガラスを取り除くため)
・シャーレ(アルコールを入れる容器)
ガラス・風防 はどこで購入できる?
ガラス交換のガラス・風防は、腕時計パーツ販売店から購入できます。
購入の価格帯は、
ガラス・風防 1,000円~2,000円程度、
サファイアガラス 4,000~5,000円程度
になります。
(パーツは自己責任でご購入をお願いいたします。)
腕時計のガラス交換作業時における注意点
ガラス片の除去
ガラスが割れてしまっている場合には、細かいガラスの破片が内部で散っていることがあります。
ガラスの破片が機械内部に入ったままだと、歯車に挟まって時計が止まるなど不具合が生じる恐れがあります。
また、文字盤のところにガラス片が残っていると、針などに破片が引っかかってしまい、針が折れ曲がったり文字盤に傷が付いたりしますし、破片が機械内部まで侵入してしまうとムーブメント故障の原因になってしまいます。そのような状態になってしまったら、分解掃除に加えて様々な部品の交換が必要になってしまいます。
ホコリやゴミ入りの予防
作業中、時計内部にホコリやゴミが入ってしまうリスクは最小限に抑えなければなりません。
もし、文字盤にホコリやゴミが入ってしまったら、腕時計を見るたびにそのゴミが気になってしまうことになります。また、そのゴミが歯車内部にまで侵入すると、遅れや止まりの原因となり、分解掃除が必要になります。
部品の紛失や破損の予防
時計には、ネジなどの細かい部品が数多くあります。
もし床や絨毯などに落としてしまうと見つけるのは至難の業です。必ず部品一つ一つをなくさないように蓋つきの仕分け容器に入れるなど対策をしましょう。
また、リューズのマキシンなど細い部品は折れてしまう可能性があります。ムーブメントをケースから取り出すためにマキシンを抜く作業などでは十分に注意しましょう。
防水機能の有無
多くの時計には基本的に防水機能がついています。
裏蓋やガラス、リューズなどには隙間から湿気やゴミケバが入らないようにゴムやシリコンなどでできたパッキンが取り付けられていて、これらは防水の維持のためにも必要な部品です。
ガラス交換後にそれらのパッキンがずれてしまっていると隙間ができてしまい、防水が維持できなくなります。
防水検査機を導入している時計修理の専門店であれば、作業後に防水性能が維持できているかどうかを確認することができますが、ご自宅ではそのような検査が難しくなります。
保証期間中に作業すると、製品保証がなくなる恐れがある
万が一保証期間中にご自身で時計を分解した場合には、メーカーの製品保証が無効になる可能性があります。
ご自身で分解したものを保証修理に出すと、メーカーによっては「保証期間中なのですが、すでに誰かによって蓋を開けられている形跡があるため、有償修理になります」と言われてしまうことがあります。ご自身で時計の裏蓋を開けるときにはこのようなリスクがあることもご承知おきください。
当然ですが、ご自身で作業を失敗して壊してしまってもメーカーの保証は無効となります。
主な注意点としては以上になります。
これらは自分で交換する時の注意点なのですが、 実はお店を選ぶ時の注意点にもつながってきます。
上で記載しているようなことをしっかりと意識しているかは、依頼するお店の受付スタッフや技師の経験年数や熟練度、丁寧さや製品知識によってその程度が異なります。また、お店の方針によっても違いがあると思います。
腕時計のガラス交換を依頼する場合
ガラス交換をプロに依頼する場合には下記の方法があります。
メーカーに修理を出す。
時計ブランドのメーカーに直接修理を依頼します。
直営のブティック、専門店や百貨店の時計修理コーナー(メーカー取り次ぎをしてくれるところ)など、窓口に時計を持ち込むと、そこからメーカー修理工房に送られ修理が始まります。
ガラス部分のみの依頼など、いわゆる部分修理を受け付けていただけないメーカーもありますのでご注意ください。そのようなメーカーではオーバーホールを行わないとガラス交換作業をしてもらえないことがあります。そのため、ガラス交換のみで修理を出したい場合は出す前に確認をしておきましょう。
時計修理店に修理を出す。※メーカー修理以外
時計修理を受け付けている店舗に持ち込み、修理を依頼します。
時計修理専門業者、時計販売店で修理も受け付けているお店、百貨店の時計修理コーナーなどがあります。百貨店の時計修理コーナーにもいろいろありますが、メーカーの取り次ぎだけでなく、自社工房で時計修理を行っているお店もあります。また、時計販売店は自分の店舗で販売したもののみしか受け付けないお店もあれば、他店で購入した時計でも受け付けてもらえるお店もあります。
修理内容や料金、お預かり期間などはお店によって異なります。
また、お店によっては、修理受付をしてもらえないブランドもあるため、事前確認したいときには、修理したい時計のブランド名やモデル名、モデル番号などを先に伝えましょう。
ネットから修理依頼をする。
近場に修理依頼できるお店がない場合には、インターネット(オンライン上)で修理依頼する方法もあります。時計メーカーや時計修理業者などでオンライン対応しているところは最近多くなりました。
希望内容に合った修理ができるか、修理品の配送はどのようにするのか、時計配送キットを送ってもらえるのかなどご不安な点があれば、ホームページをしっかりと確認するか、それでもわからないことがあれば記載された連絡先に連絡を入れて質問してみましょう。
石國商店では店頭でもオンライン(インターネット)でも修理受付中
石國商店の修理工房では「内部保証なし」という条件でガラス交換の部分修理をお受け付けすることも可能です。ただし、部分修理のみでお受け付けした場合でも、歯車内部にガラス片が散乱していたり、衝撃による不具合や、経年劣化による油切れなどの症状が判明した場合には、後日、分解掃除も含めた再見積もりのご案内をする場合があります。予めご承知おきください。
石國商店ECオンライン受付はこちら
腕時計のガラス交換の費用相場
石國商店でガラスを交換した際の費用感は以下になります。
※技術料込みの価格です。
代用丸型 ミネラルガラス・プラスチック風防交換
14,300円~19,800円 期間5週間程度
代用丸型 サファイアガラス交換
25,300円~30,200円 期間6週間程度
新規作成 ミネラルガラス・プラスチック風防
25,300円~30,200円 期間7週間程度
特殊型 ミネラルガラス・プラスチック風防(特殊な形のガラスを新規作成する場合)
新規作成の場合にはお見積もりになります。
(石國商店ECでご希望の場合は上記に加えて往復送料2,200円頂戴します。予めご了承ください。)
上記はガラス交換のみの金額になります。
オーバーホールなどほかの修理もご希望の場合はぜひご相談ください。
腕時計のガラス交換・修理なら石國商店
石國商店を運営する会社(株式会社石国)では、毎年1万件以上の時計修理実績があります。
ガラス交換やオーバーホールなど、1級時計修理技能士の国家資格を持った修理技師たちが在籍する弊社修理工房にてひとつひとつ丁寧に修理が行われていきます。
もしガラス交換もしくは時計の修理でお困りでしたら、石國商店にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事がお役に立ちましたら幸いです。
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